【株式会社アイデミー 代表取締役 執行役員 社長 石川 聡彦さん】留学するように起業する、ってことがあってもいい

最初の失敗が今の事業の成功に繋がっている

―石川さんの今までの軌跡と学生起業家についての意見を教えてもらいたいと思っています。まずは学生の頃に起業した今までの軌跡を教えてもらえますか?(近藤)

大学3年生の時に起業して、大学院を中退して今に至っています。

元々は東大の文科三類に入って、学校の教師になりたかったんです。先生になりたいって思いと、起業家になりたいっていう思いが2つ混じっていて、教職に必要な授業を取りつつ、起業家が集まるようなサークルにはいったりビジネスコンテストに出たりしていました。

学校の先生も素晴らしい職業だと思うんですけど、マーク・ザッカーバーグのような学生起業家が、世界を変えるようなアプリケーションを作っていった時代だったので、徐々に起業家として生きることの方が魅力的に思えてきていました。

大学3年の時に、ビジネスコンテストで優勝して起業したのですが、それがいい意味での勘違いだったのかもしれないです。

起業したタイミングで一年間休学したのですがあまり上手くいかず、起業を続けるか就職するか迷っていました。復学して、BCGなどのコンサル、起業家の多いリクルートやサイバーエージェントのインターンに参加して、内定が出たらいいなと思っていたんですが、全く出ず、厳しいかもしれないって思ったのが大学4年生です。

その頃は、今のアイデミーとは全く関係ない会社を経営していて、弁当デリバリーとかをやっていました。

そんなときにAIというテクノロジーに触れて、これは面白いなと思い、AIの事業なら投資するって言ってくれる投資家がいたので、大学院1年生の時に投資を受けてアイデミーをはじめました。

24歳の時にアイデミーを始めて、そこからは割とトントン拍子で、というと語弊がありますけど、ビジネスがグロースしてそのタイミングで、大学院も中退でいいよねってなったのが僕の経歴です。

―アイデミーをはじめてから、ピボットとかもしていないんですか?(近藤)

最初は学生向けにAIに学べるサービスでやっていたのですが、今は社会人向けが8割で、社会人向け法人向けにピボットしています。今は教育ビジネスより、コンサルティングに軸足を移しているという意味では、常にピボットしていると言えるかもしれないです。

以前は全然違う弁当のデリバリーをしていたりしたので、そういう意味ではトラベリングはなくなって、AIという枠の中で色々変えているっていう感じです。

―2017年から今までの6、7年を振り返って、ツラかったこと、良かったことそれぞれのエピソードを教えて貰ってもいいですか?(近藤)

辛かったことを聞かれると困るんですが、そういった記憶があまり残っていないんですよね。(笑)

良かったことは、やっぱり上場したことでしょうか。

中学3年生の時に、社会科見学で東証に行ったんですけど、その当時から起業したいみたいのがあったのかもしれません。15年後にその場所で、自分の会社の名前が出て、主役として立っているなんて思っていなかった訳です。

そういう意味で、夢の実現とか苦労が報われた感動がありました。

自分も嬉しかったけど、社員や取引先の方も喜んでくれて、上場ってみんなが結婚式の主役みたいになれるんですよね。

結婚式の何十倍も楽しいですよね、結婚式も楽しいですけど(笑)

あとは、創業当初にフォーカスすると、僕たちのお客さんって製造業の人が多くて、お客様のところへ行くと、「アイデミーのサービスいいよ」とか「AIのサービスいいね」って言ってくれる瞬間はすごく楽しかったです。

学生で起業して、自分のサービスが世の中に受け入れられるかは分からず、3年間の失敗経験もあったから、また失敗するかもしれないという不安の中でそういった声をいただけたことは、本当にうれしかったです。

特に最初の10社の中に、空調メーカーのダイキン工業さんがいて、それがきっかけになって「ダイキンが使っているなら、うちでも使ってみよう」っていうお客様がいて、そういう作り手の感動はビジネスの醍醐味だと思います。

辛かったことで言えば、やっぱり社員が辞める瞬間がツラかったです。

特に創業当初は、いつも涙が流れるぐらいツラくて…会社が理由で辞める部分もあるし、本人のキャリア志向で辞める場合もあって、今になればアンコントローラブルだからそんなに落ち込まなくてもよかったなって思っています。

でも最初の5人、6人の時は、無力感みたいなものもあって、引き止めづらい部分もあったので寂しさとか力不足を感じたりしました。

自分が孫正義だったら辞めないだろうな、って思っていたんですが、逆に孫正義だったら辞めるかもしれないって気付いてから泣くことはなくなりました(笑)

若いうちだから後戻りができる、それが学生起業のメリット

―学生起業家のメリット、デメリットを教えてください!(近藤)

僕は二足の草鞋を履いて起業したので、それをおすすめしたいです。

起業して休学しても後戻りできるし、今は新卒就職にもほぼ影響がないって聞いています。

リスクフリーで挑戦できることは学生のメリットだと思います。30歳過ぎて子供がいて…とか、借金1,000万の個人保証で…ってなったらなかなか踏ん切りがつかないこともあるし、ITなんかの領域だったら投資も少なく挑戦もできると思います。

デメリットはあまり感じませんが、採用面やBtoBビジネスがやりにくいっていうのはあるかもしれませんね。

僕たちの場合は法人営業やBtoBビジネスに詳しい人にジョインしてもらうことで知識が足りない部分をカバーできたんですが、やっぱり少し時間がかかったと思っています。

―最後に、学生起業家に一言エールをお願いします!(近藤)

今はチャンスなので、学生起業家こそBtoBで起業したらいいって思っています。

以前より大企業がどんどんスタートアップや中小企業に発注してくれるようになっていて、これは10年前では考えられなかったことです。

生成AIとかweb3は旬なキーワードですが、そういった前例のない技術テーマはそもそも詳しい人がいないので、キャッチアップ能力が高い、学生も含めた若手の方が、いい提案をしやすい構造になっていると思います。
大企業もそういった先端テクノロジーの開発案件や提案っていうのを待ってるので、スピード感をもってキャッチアップして、大企業のバジェットを取っていくみたいな戦い方も、昔より可能性が広がっているんじゃないでしょうか。

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