【ネクステージグループホールディングス株式会社 丹野直人さん】自分が苦労した経験を社会に活かすための起業

人生が転落した時にも助けてくれた友人がいた

―過去に、バーをされていて失敗したことがあるとお聞きしましたが、そこからネクステージを創業されるまでの経緯を教えて頂けますか?(近藤)

元々は歯科技工士の専門学校を卒業して、親の跡を継ぐ予定だったのですが、歯科技工士の仕事がつまらなくて3ヶ月くらいで辞めてしまったのです。

その後は、フリーターをしていたのですが、学生の頃にバイトをしていたバーで雇われ社長をして、それが初めての事業経験です。

一年くらい経った時に、オーナーが他の事業で失敗して逃げてしまい、連帯保証人になっていたので借金が残ってしまったのです。

僕がつくった借金ではなかったのですが、付いてきてくれた部下もいたので消費者金融から自分の生活費も含めて借りて、そこから僕の人生がドーンって転落していくことになりました。

その後に、父の会社も不渡手形を掴まされて、自己破産することになって両親が離婚して、戻る場所もなくなってしまったのです。

それで死ぬことまで考えたんですが、色々なきっかけがあってもう一回やり直そうって思い、母や友人の助けもあって板橋区の汚いアパートに住んでそこからなんとか全部借金を返すことができたのです。

借金を返し終わった後に、改めて就活をしました。

―すごい話ですね!就活はどのような感じだったのですか?(近藤)

就活をしたんですがどこも受からなくて、学歴も職歴もなくて、希望もなくなっちゃって、僕は借金を返したらバラ色の未来が待っているんじゃないかって思ってたんだけど、全然そんなことはありませんでした。

数ヶ月して、食べるためにバイトに戻るしかなくなって、その時にたまたまバーを経営していたときのお客さんに再会して、「そんな経験したんなら、自分で会社をやったらどうか」って勧められたのです。

その人はコンサル会社の人だったのですが、学歴や職歴じゃなくて今までの経験を社会に活かしたほうがいいのではないかって勧められて、中小企業診断士の事務所を紹介してもらい勉強させてもらいました。

そこから今の会社を26歳の時に立ち上げることなりました。

失敗の経験から学ぶことがたくさんある

―具体的にはどのような仕事をはじめられたのですか?(近藤)

中小企業診断士事務所にいたので、経営に困った会社さんにお手伝いできないかと思って独立したんですが全然食えなくて、その後で集客のこと考えてなかったなって気付きました。

僕は頭が悪いので、やってみて気づくんですよ、もっと集客を大事にしなくてはだめだって。

その頃は、インターネットの草創期で、自分達もマネをするような形でマッチングメディアを立ち上げてリスティングを回したりしていました。

結果として集客のノウハウが身につけられた事が大きくなっていくきっかけです。

―会社をやっていてよかった経験や逆に大変だったこと、うまく解決できたこととかを教えてもらえますか?(近藤)

嬉しかったこととツラかったことが、同じ出来事なんです。

10年くらい前に最大の売掛先で入金の遅延があり、1ヶ月遅れて、2ヶ月遅れてってなって、結局半年ぐらい遅れて回収は出来たのですが、めちゃくちゃ大変な思いをしてなんとか回収できたってことがありました。

うちの経営幹部には、僕がバーで働いていた時のメンバーや前職の仲間が数名いるんですけど、「もしかしたら資金ショートで会社が潰れるかもしれない」って相談した時に、「潰れても、またゼロからやり直せばいいじゃないですか!」って言ってくれたんです。

後にも先にもあの時が一番嬉しかったですね。

「またゼロからやればいい、何でも出来ますよ」って、会社が潰れたら社員もついてこなくなると思ってたから、それがスゴく嬉しかったと同時にツラかったですね。

だからそんなことを言ってくれる仲間が本当にありがたいなって思いました。

―いい話ですね!どれくらいの金額だったのですか?(近藤)

1億ちょっとです。

その経験から、取引先のバランスや自分達がイニシアチブを取らなきゃいけないとか、自分でサービスをつくらなくてはいけないとか、気付きや学んだこともたくさんありました。

やりたいと思ったらやるのが起業家、なにもビビる必要はない

―若い頃から事業経営を経験されていますが、学生起業家のメリット・デメリット、若くして起業するということはどう思われますか?(近藤)

以前とは環境が違いますけど、一長一短があると思います。

早いうちにうまく行き過ぎてしまうと、因果応報じゃないけど後で大変なこともありますし、最初からうまくいかない人こそ強いのかなって思います。

でも何もしないで思考停止しているような人と比べれば雲泥の差だし、早く学生起業をするならした方がいいと思います。

起業って異質だけど、自分のレベルを知るってことも必要じゃないかと思っています。

一長一短なので、どちらがいいとは言えませんが、起業したければ早くすればいいって思います(笑)

―学生起業家に向けて、大先輩からエールを頂けますか?(近藤)

僕の場合は、結果論として起業せざるを得なかったから起業しただけなんです。

振り返れば、起業したほうがいいのは間違いないと思っています。

起業することで、人生の成功確率が高くなると思うのです。

昭和の戦後の頃ってみんな個人商店ばかりで、それが段々と企業に勤めるのが当たり前になってきているので、自分で何かをするのは一番気付きが多くて成長度合いが高いって言えます。

自分でやるから内省するし、だから自分でやった方がいいと思うのですが、タイミングは人によって違うんじゃないかって思います。

僕は借金まみれだったけど、なんとか生きてくることができたし、その経験があったから今があるので、なにもビビる必要はなくて、学生から起業したいっていう人は素晴らしいと思います。

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