【株式会社i-plug 中野智哉さん】運が来るまで諦めずやり続ける

事業内容と、起業のきっかけを教えてください

OfferBox(オファーボックス)という新卒のダイレクトリクルーティングサービスを運営してます。規模でいうと、24卒学生は8月末時点で23万人以上が使っていて、企業も登録が15,600以上です。新卒採用をしている企業が35,000くらいといわれているので、3分の1くらいのシェアを持っているツーサイドプラットホーム事業です。

もともとの経歴は、インテリジェンス出身ということになっているんですが、子会社の歩合の営業だったんです。

在籍中は求人も有料紙からいわゆるフリーペーパーのフリーミアムモデルに変わったりとか、ガラケーからスマホに変わっていってIT化の時代による変化の過程を経験をしました。

ただ人材業界はIT化が遅くて、例えば当時スカウトメールって1通ずつ送ったら、反応率がメチャクチャ高いことを業界にいる人はみんな知っていたんですが、時間がかかりすぎて誰もやっていなかったんです。
あとは当時リブセンスが出てきて、成功報酬という概念を持ち込み瞬く間に上場まで行ったので、自分もITと成功報酬を合わせたサービスで起業しようかなって思ったんです。

実は父も起業家だったので、起業に対する気持ちはずっとあったんですが、まともな大学生じゃなかったんで (笑)
歩合の会社やインテリジェンスも、新卒で入っていなくてその前に10か月ほどニートしてるんで起業と一番遠いところにいました。

でも起業への気持ちだけ残ってて、営業のコツもつかんで仕事漬けの毎日だったタイミングで、リーマンショックとなり仕事が減ってしまったのです。仕事以外にやることがなくなったので、グロービスに行ってから、起業しようって思い、そこから本気で勉強したんです。

グロービスは起業するためにいったんですか?何かきっかけでも?(近藤)

自分は子会社に所属していたので出世の道が狭いんですよね(笑)

当時30歳くらいで、50歳まで死ぬほど売り続けたら上がれるのかな…みたいな感じで…。

グロービスに行って起業をしようと思ってたんですが、当時は人材系だけは未来がないからやらないって決めていました。そんな時にTwitterとかFacebookが出てきて、それに影響されて大学生向けのSNSで起業しようと思いました。

― 起業してから苦労した経験、エピソードを教えてもらえますか?(近藤)

一番恥ずかしいなって今でも思うのは、SNSの事業も結局開始に踏み切らず、日銭を稼ごうと人材紹介を始めたのですが20日で撤退してるんですよ。

うまくいかなかった理由は、お客さんの声を聞いてなかったからですね。机上の空論ばかりで、実際動かないからマーケットフィットしているかどうかもわからず、しかも声を聞くのも億劫になっていました。

その後OfferBoxをやってからは地獄のようにお金がなかったです。大阪府の雇用促進と創業支援の受託事業を受けることができてなんとか食いつなげました。

そんな厳しい間もOfferBoxをやり続けていたんですが、そんな時に神風が吹いて…。

何があったんですか?(近藤)

就活のスケジュール変更があって、選考解禁が後ろ倒しになったんです。アベノミクスやオリンピックで企業の景気はよくなったけど、経団連の指針で大手企業は時期を守らなくてはいけなくなったのです。

その頃に、オファー型も他社が複数社入ってきたんですが、うまくいかなくて全部撤退していったんです。それで数万人の登録希望があるのに誰も居ないっていう空白の市場ができました。

そこでOfferBoxの売上が、その1年で売上10倍になったんです。1,000万が1億に。

それで単年度黒字になって、そこからはずっと右肩上がりです。
就活解禁が遅れたのも、予想していた訳ではなく、ラッキーでしかないですけど、結局は粘って運を引き寄せたのは、諦めなかったからなんです。

― 学生起業家に話しを戻すのですが、学生起業家をどう見ていますか?(近藤)

起業したいと思っているなら、早く挑戦したほうがいいと思ってます。

社会人経験やスキルは後からでも学べるけど、運はいつ降ってくるかわからないですからね。自分はひと通り失敗して、33歳で起業して、3年くらいで運にぶつかってるんですよ。とても運がいいでしょ(笑)

運は、誰にでもくるんですよ。気づくかどうか。

気づき方はね、なんでもいいと思うんですよ。10年とか守り続けるように続けていたら何か感じるものができるような気がしてます。
自分は3年前から毎週2時間、思考の整理っていう時間を取って、Slack、LINE、メッセンジャーをオフにして、何かテーマを決めて考えるというのを3年ぐらいやっています。そうすると自分の中でフラットなところができて、変化に対して敏感になりやすいんじゃないかな。

運って偶発的なんで、本とか論理的に整理された情報の先には絶対ないです。いろんな人に会うとか、行動して偶発的な出会いとかが運に繋がったりする。こういうことをやったらいいってことを真に受けてやり続けると、偶発性がどんどん削れていくので、自分のルールで決めたものをずっとつき詰めていくと、運にも出会う確率が上がるかもしれないと思います。

学生起業がブームですが、彼らに向けた応援とかメッセージを頂きたいと思います。(近藤)

学生起業がブームって言っても、まだまだ滅茶苦茶レアキャラですよね。物事を成すのが好きな人もいるし、単純にお金持ちになりたいとか、憧れが欲しいとかモテたいとか色々あるけど、突出したものになりたいっていうのは、多分一緒だと思うんですよ。そのなかで成功するには逆張りしかない。

あとは資産を形成するとか、みんなから承認されるとか、やりがいを持つとかって起業すると経験できるのは間違いないです。確かにリスクも伴いますが、学生のうちに経験する価値がそれ以上にあると思っています。
チャレンジをしたい人であったら、ぜひ挑戦して欲しいですね。

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